稲とブドウ 01 18451

2,948円(税込)

TAMESHIOKEシリーズとして先行リリースした米と麹とブドウのお酒がこの度ご好評につきレギュラー化いたしました。TAMESHIOKEよりより葡萄を感じられる味わいに落としております。長文ですが以下をお読みください。

◎ 米と麹と果実を発酵させる意義

もともと日本酒は米だけでさまざまな表現ができるお酒。

米というシンプルな材料なのに、こんなに色々作れるか、というのが酒造りにのめり込んだ理由の一つ。

初めはそこにわざわざ副原料を入れるのに実はかなり抵抗がありました。

そのため、初年度の稲とアガベは味にあまり影響のないアガベシロップやフレーバーがあるものでも日本のどぶろく文化としてあるホップを入れたものしかありませんでした。

しかし2年目に差し掛かり考え方が変わってきました。理由は主に二つあります。

一つは、クラフトサケというジャンルのスタンダードを作りたいという想い。

今年立ち上げたクラフトサケブリュワリー協会。多くの方々に支えられてクラフトサケは少しずつ日本酒ファンの方を中心に楽しんでいただけております。しかし、より多くの方々に楽しんでいただくためには「クラフトサケとはこういうものである」という名刺代わりになるような酒の存在の必要性を感じておりました。

多くの人に楽しんでもらうにはどうしたらいいかを模索している中で、昨年つくったホップを使ったお酒は普段日本酒を飲まないクラフトビールファンの方にも楽しんでいただけました。

このような経験から、クラフトサケは日本酒の亜種みたいな酒ではなく、別ジャンルのお酒とお酒の間を繋ぐものという側面があり、それはクラフトサケの存在意義のひとつだと考えるようになってきました。

今後は日本酒とワイン、日本酒とシードルといったビール以外のお酒とも繋ぐことができるのでは?とだんだん夢が広がってきました。

もう一つの理由は、米の酒の一造り手として意義を感じたことです。

ワインはブドウの糖分を酵母が食べるという単発酵という発酵で出来上がります。そのためブドウの品質の良し悪しで味わいが決まります。

方や日本酒は米に人の手が介在しない限りお酒になりません。

そのため誰がどのように作るかの比重が重いお酒です。

ブドウに米と麹を加えることで、両者の発酵を合わせたら、もしかしたら日本人の積み重ねてきた米と麹の酒造りの技術を活かすことでいつかブドウのポテンシャルを超えたお酒を造ることができるかもしれない。

そう考えた時に、日本酒の一造り手として意義深さを感じ、飲み手としても造り手としても、いてもたってもいられなくなりました。

◎ クラフトサケは出会いの酒

米以外の原料が入るクラフトサケは、米農家さんとの関係性で出てくる日本酒より関わる人が少し多くてワクワクしています。

稲とアガベではお米に関しては近くの顔が見える信頼できる農家さんと一緒にやることにこだわっておりますが、 米以外の原料に関しては、日本、そして世界中の作り手の方々のものを使用すると決めました。

最近、クラフトサケは「出会いの酒」なのかもしれないと思ってます。

クラフトサケは友人が紹介してくれるこだわりの生産者さんだったり、出張先で出会う方とコラボしたり、人との出会いが酒の開発につながります。 ある種自分自身の人生が投影された、僕の人生でしか成し得ない酒が米以外の原料を加えて醸すお酒なのかもしれません。

◎ 稲とブドウにおける「出会い」

今回の出会いは、甲府での出会いでした。

稲とブドウの構想はあったものの、できればワイン用の葡萄が良いと考えていたため、まとまった量が手に入るのは来年以降だと考えておりました。

今年の9月、友人の熱燗DJつけたろうと「かえるのより道」という甲府人気居酒屋のクワちゃんのイベントに混ぜていただいたのですが、 そこに勝沼のワインを多くの方々に広めた第一人者の新田商店の新田さんが忙しさの合間を縫ってご来店いただきました。

そこで稲とブドウの構想をお話しすると今年でもなんとかなるかもしれないと、なんとかしてくれそうな人として(笑)、マルサン葡萄酒でお馴染みの若尾さんをご紹介いただきました。

若尾さんにもブドウと米の発酵の可能性を語ると、「それは面白い!なんとかかき集めてみる」とおっしゃっていただき、ご紹介いただいたのが天下の勝沼でも気鋭の葡萄農家矢野さんでした。

まさか今年「甲州」が手に入るとは思ってもみませんでした。

この奇跡のようなご縁で出来上がったのが今回のお酒です。

もちろん今回出会った皆様の思いを汲んで、お酒にまとめたつもりです。

このお酒を通じてまた新たな出会いができる可能性にワクワクしております。

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